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相続とか遺言とか その7「遺言の種類」

公開日:2010年10月21日
更新日:2022年12月22日

こんにちは。

お久しぶりの更新になってしまいました。

今日は、前回の続きで、遺言について書きたいと思います。

遺言が効力を持つためには、いくつかの要件が定められています。

逆に言うと、要件を満たしていない遺言は、効力がありません。

民法第960条 「遺言は、この法律の定める方式に従わなければ、することができない」

まず、遺言の形式的な要件について。

◆遺言の種類 遺言の種類を大きき分けると、「普通方式の遺言」と「特別方式の遺言」に分かれます。

「特別方式の遺言」は、緊急時や、伝染病などで隔離されている場合の遺言なので、 一般的な「普通方式の遺言」について述べたいと思います。

「普通方式の遺言」には、(1)自筆証書遺言、(2)公正証書遺言、(3)秘密証書遺言の3種類があります。

(1)の自筆証書遺言は、「紙とペンと印鑑」があれば作成することができます。 その名の通り、自分で書く遺言です。全文を自筆で書いて下さいね。

メリットはやはり、作成が簡単なことでしょう。 それと、内容を誰にも知られずに秘密にしておくことができます。 (秘密にしすぎて、発見されない恐れもありますが。。。)

デメリットとしては、自分で作成するために、法律で決められた要件(書き方)を満たしていないために、遺言が無効になったり、記載内容があいまいで遺言の効力が認められない、といった危険性があることでしょうか。

また、自分で遺言を保管する必要があるので、紛失や改ざんの恐れがあること。 相続発生後に家庭裁判所で、遺言の検認が必要なため争いになりやすいことが挙げられます。

書き方に関しては、最近は「遺言作成キット」の様なものが、書店などでもたくさん並んでいるので、参考になります。

内容に関しては、一度、専門家に見てもらった方が確実かも知れませんね。

(2)の公正証書遺言は、公証役場で、公証人に作成してもらいます。

メリットは、公証人に作成してもらうので、遺言が形式的に無効といったことがなく、遺言の実行が確実であること。 また、作成された遺言は公証役場で保管されるので、紛失や改ざんの恐れはありません。 家庭裁判所での検認も不要であるため、相続開始後の手続きもスムーズです。

デメリットは、公証人に対する手数料や、手間がかかること。 遺言の内容を公証人に知られてしまうこと。

(3)の秘密証書遺言は、自筆証書遺言と、公正証書遺言の間を取ったような遺言です。 遺言を書いたことを公証人が証明してくれる以外は、自筆証書と大差ありません。どちらかというとマイナーな遺言です。

まぁいろいろと書きましたが、結論としては、

簡単、お手軽な自筆証書遺言。 確実な公正証書遺言。 といったところでしょうか。

一般的には、公正証書が望ましいといわれていますが、個人的には遺言を残す目的によって選択すればいいのかな。と思います。

遺言でできることについても、法律でいろいろと決められているんですよ~

相続とか遺言とかシリーズ

  1. 相続とか遺言とか その1「戸籍」
  2. 相続とか遺言とか その2「相続放棄
  3. 相続とか遺言とか その3「相続人がいない」
  4. 相続とか遺言とか その4「遺産分割とは」
  5. 相続とか遺言とか その5「遺産分割とは2」
  6. 相続とか遺言とか その6「遺言」
  7. 相続とか遺言とか その7「遺言の種類」
  8. 相続とか遺言とか その8「養子縁組」