ひろせ日記
自筆証書遺言のクイズの答え
こんばんは。
台風の影響か、今日の高松は、スッキリしないお天気ですね。 もうずいぶん前にお亡くなりになった方の相続のご依頼をいただきました。 少し、手続きに苦労しそうですが、まずは、戸籍の調査から頑張ります。
さて、前回の次のような自筆証書遺言は有効なのか?というクイズの答えです。
Q:「氏名」がニックネームである。 とか、氏しか書いていない、又は、名しか書いていない。
A:名前が遺言者と同一であると判断されれば、有効になります。 他人と混同が生じない場合には、氏または名だけでも 有効とされています。 でも、余計なトラブルの元ですから、きちんと住所、氏名 を書いておいた方が安心ですね。(大判大正4年7月3日)
Q:「日付」が、「平成●●年◎月吉日」となっている。 とか、「私の誕生日」なんて書かれている。
A:「吉日」というのは、遺言の作成日が特定できませんから無効です。 平成○年の誕生日とか、満○○歳の誕生日などとすれば、日付が特定 できるので、有効です。(最判昭和54年5月31日)
Q:「押印」は、実印ではなく、認印で押してある。 それどころか、印鑑じゃなくて拇印だった。
A:遺言書に押す印鑑は、認印でもかまいません。 印鑑ではなく、拇印であってもかまいません。 (最判平成元年2月16日)
遺言に関しては、たくさんの最高裁判例が出ています。しかし、せっかく相続で無用な争いが起こらないように遺言を残すのですから、 「裁判で最高裁まで争えば、有効と認めてもらえる遺言」 ではなく、 「円満に相続手続き(遺言の執行)ができる遺言」 を残したいですね。
「遺言の執行」まで考えると、やっぱり公正証書遺言が安心なのかな。 でも、自筆証書遺言にもいいところもあります。
どちらにせよ、大切なのは「ちゃんとした遺言を残す事。」ですね。
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