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所有者不明土地問題の背景

公開日:2023年1月19日
更新日:2023年8月3日

香川県高松市のひろせ司法書士事務所です♪

相続土地国庫帰属制度の詳細が徐々に決まってきて、質問をいただくことが多くなってきました。

そもそもなぜこのような制度ができたのか?
所有者不明土地問題と大きく関係しています。

タイトルの「所有者不明土地問題」の背景と解決に向けた国の取組みをお伝えします。

目次
1.所有者不明土地とは
2.所有者不明土地の問題点
3.所有者不明土地が発生する原因
4.所有者不明土地を解消するために打ち出された施策

1.所有者不明土地とは

所有者不明土地とは何か?以下のように定義されています。

不動産登記簿により所有者が直ちに判明しない土地
②所有者が判明しても、その所在が不明で連絡が付かない土地

令和2年に行われた国土交通省の調査では、全体の24%もの土地が所有者不明土地に該当するそうです。

2.所有者不明土地の問題点

  1. 倒壊や不審者の出入りなど管理が出来ていないことによる問題
  2. 公共事業や復興事業などへの支障がでる

3.所有者不明土地が発生する原因

所有者不明土地が発生する主な原因は2つですが、この2つで原因のほとんどを占めています。

①相続登記がされていないことによるもの[63%]
②住所変更登記がされていないことによるもの[33%]

今のところ、相続登記の申請は義務ではなく、申請しなくても不利益を被ることは少ないことから利用価値の少ない土地、価格の低い土地では相続登記をしないまま放置されていることが少なくありません。
また、住所変更の登記についても申請は義務ではありません。引っ越すたびに住所変更登記をしている。という方は皆無ではないでしょうか。

4.所有者不明土地を解消するために打ち出された施策

所有者不明土地の発生を予防する制度と、すでに発生した所有者不明土地を利用するための制度がつくられました。

(1)所有者不明土地等の発生予防

①不動産登記制度の見直し(義務化)

所有者不明土地になる原因のほとんどが相続登記がされていない、住所変更登記がされていないことによるものなので、義務化して登記を促進します。

  • 相続登記の申請義務化 (令和6年4月1日からスタート)
  • 住所等の変更登記の申請義務化 (令和8年4月までにスタート)

②土地を手放すための制度の創設

さらに相続登記をしない原因の一つが、「負担ばかり大きくて、いらない土地を相続したくない」というものであることから土地を国に返す制度が出来ました。

相続土地国庫帰属制度の創設 (令和5年4月27日からスタート)

(2)所有者不明土地等の利用の円滑化

すでに発生している所有者不明土地を活用できるようにするための制度も整備されました。

土地・建物等の利用に関する民法の見直し(利用の円滑化)

① 財産管理制度の見直し
② 共有制度の見直し
③ 相隣関係規定の見直し
④ 相続制度の見直し

民法の改正に関してはまた影響がありそうな部分をまた改めて記事にしたいと思います。

制度開始以前に開始した相続・取得した土地も対象です。相続登記を早めにしたい、相続した土地を国に返したい。という方は香川県高松市のひろせ司法書士事務所までご相談ください。

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