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相続した不動産 続き

公開日:2010年8月17日
更新日:2022年12月21日

相続した不動産に担保がついていた場合」の続きです。

抵当権や根抵当権がついていた場合、登記簿をよく見ると担保の内容が登記されています。

たまに、明治時代や、昭和初期の抵当権が設定されている場合があります。 これらは、休眠担保や、休眠抵当権と呼ばれています。

古い担保の場合、債権者(以下、抵当権者という)が、個人名で登記されていることがほとんどです。

明治時代の抵当権ですから、おそらく、抵当権者も亡くなっており相続が発生していることが多いでしょう。

通常、抵当権を抹消するには、抵当権者の協力が必要です。

抵当権者に相続が発生しているときには、その相続人全員の協力が必要になります。抵当権者の相続人がわかる場合は相続人全員と協力して、抵当権抹消手続きを行います。

抵当権者がどこの誰かもわからないときはどうなるのでしょうか?

こういう時のために、不動産登記法は、物件所有者が単独で抵当権の抹消手続きをできるように定めています。

休眠抵当権の抹消手続きを行うには、債権額、弁済期からの利息、損害金を法務局に供託します。 そして、抵当権者が行方不明であることを証明する書類を添付して、抵当権抹消登記の申請を行います。

明治時代の貨幣価値を、現代の貨幣価値に換算する必要はありません。

借り入れからすでに100年も経過していると、かなりの額の損害金をとられそうですが、借り入れ額が僅か100円程度ですので、利息や遅延損害金の全額といっても数千円程度の金額にしかなりません。

手続きは面倒ですが、それほど難しくありませんし、後になるほどやりにくくなります。 早めに抹消手続きを取られることをお勧めします。