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相続手続きの進め方|②相続財産の調査

公開日:2023年12月8日
更新日:2024年3月19日

相続相談なら香川県高松市「ひろせ司法書士・行政書士事務所」廣瀬修一です!

相続が発生したあとにやらなくてはいけないことについて、前回のブログで戸籍による「相続人の確定」についてご紹介しました。

今回は相続財産の調査について解説していきたいと思います。

1.相続手続きの全体像

相続手続きの大まかな流れは次の通りです。

※相続する財産の額によってはここに相続税の申告が加わります。

2.相続人の確定ができたら次は相続財産の調査

相続人が確定できたら相続財産の調査を行います。
※相続人全員が確定できていなくても、相続人のうちの一人であることが確定できれば相続財産の調査に進めます。

相続財産の調査が大切な理由

☑どんな相続財産がどのくらいあるかわからないと遺産分割協議が進められない。
☑相続財産が多い場合は相続税申告の準備をしないといけない。
☑負債が多い場合は3か月以内に相続放棄をするかどうか決める必要がある。
☑遺産分割協議が終わったあとから財産が判明すると再度相続手続きをしたり、相続税の修正申告が必要になる。

二度手間にならないようにきちんと相続財産の調査を行いましょう。

3.相続財産の種類

主な相続財産は次の通りです。

不動産土地や建物
動産不動産以外の有体物は動産とされています。
貴金属、骨董品、美術品などの価値が高そうなものはもちろん、価値が低そうなものも一応相続財産です。
預貯金銀行、郵便局、農協などの預貯金を指します。
有価証券・上場株式や投資信託
・中小企業自社株などの非公開株式
・農協や信用組合などの出資金
負債・借金などマイナスの財産も相続されます。
・亡くなった方が保証人になっていた場合、保証債務も引き継ぎます。
生命保険正確には相続財産ではなく「みなし相続財産」です。相続税の計算では相続財産に含まれるので正確に調査しましょう。
相続財産の種類と具体例

相続財産の調べ方

相続財産によって調査の仕方が異なるのが相続財産調査の難しいところです。
漏れのないように調査するための方法をご紹介します。

(1)不動産の調査の仕方

不動産については、市役所など市区町村役場で「名寄せ」という手続きをすることで、その市町村にある不動産の一覧表を取得することができます。

名寄せの注意点

①請求した市町村にある不動産しか調べられない。名寄帳は市町村ごとに備え付けられているものなのでどこの自治体に不動産を所有しているかわからないような場合は調べようがありません。
②名寄は完全ではない。役所のミスで名寄帳に不動産の記載が漏れていることがたまにあります。
登記簿など他の情報と照らし合わせながらチェックするようにしましょう。

(2)預貯金の調査の仕方

通帳やキャッシュカードをもとに取引があった金融機関に対して、照会を行います。
相続税の申告が必要な場合は残高証明書も取得しましょう。

預貯金は有価証券や生命保険のように、どこの銀行に預金があるかわからないといった場合の開示請求の手続きがありません。
したがって、取引をしていたであろう銀行の目星をつけて地道に調査していくしかありません。
あんまり地元にない金融機関で口座を開設するのは考えものですね。

(3)有価証券の調査の仕方

証券会社などから届く報告書などをもとに調べますが、最近はネット証券で運用しるため書面が届かずどこの証券会社で運用しているのかわからないという方も増えています。

そんな時は「証券保管振替機構」に加入情報の開示請求をします。

確認できる内容は、どこの証券会社、信託銀行などで上場株式等の取引をしていたかです。
具体的な銘柄や持株数などはわかりません。また非上場株式についてもわかりません。

証券保管振替機構の開示請求で取引をしていた証券会社を調べて、判明した証券会社に対して、詳細な取引内容の開示請求を行います。なかなか大変です。

(4)負債の調査の仕方

借主が亡くなると当然支払いがとまります。
しばらく支払いが止まると、督促状や請求書が届きます。督促状が届いたことによって借金がどのくらいあるのか不安になって相続放棄を検討する方も多いです。

借金があるかを調べる方法としては「信用情報」の調査があげられます。いわゆるブラックリストと呼ばれるものです。※実際にはブラックリストではなくちゃんとした借入も記録されているものです(^^;

信用情報を調べると、亡くなった方がどこからいくら借入をしていたのかがわかります。
ただし、非合法な貸金業者や保証債務などは記載がないのでわかりません。

(5)生命保険の調査の仕方

保険証券や保険会社からの通知などをもとに契約している保険会社と加入内容を把握します。
通帳から保険料の引落しなどがあるとそれも手掛かりになりますね。

どうしてもどこの保険会社で加入しているかわからないといった場合は、「生命保険契約照会制度」という制度を使うと生命保険契約の有無を確認することができます。

けっこう面倒で時間もかかる手続きなので、保険契約については受取人となるかたに生前にお伝えしておく、エンディングノート記すなど事前に情報を共有しておきましょう。

4.まとめ

相続財産の調査がスムーズにできるか苦労するかは、事前にどのくらい把握できているかによって大きく変わってきます。

エンディングノートなどで記すこと、生前に家族で話し合うことなどの情報共有が大切です。
相続財産の調査で苦労しているという方は、ご相談ください。

5.次のステップ

相続財産が把握できたら、次は遺産分割協議を進めましょう!
次回は遺産分割協議についてお伝えします。

相続手続き何から始めたらいいかわからないという方。
まずは香川県高松市のひろせ司法書士事務所にご相談ください。
相続人・相続財産の調査から不動産の名義変更、預貯金の解約手続きまでサポートいたします。
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