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相続人が多くてもあきらめない

公開日:2024年10月4日
更新日:2024年11月6日

相続相談なら香川県高松市「ひろせ司法書士・行政書士事務所」廣瀬修一です!

令和6年4月1日に相続登記が義務化されて半年が経ちました。
相続登記のご相談が多くなっている中で、目立ってきたのが相続人が数十人にのぼるようなケースです。

土地の名義が随分前に亡くなったお祖父さんのままになっている。
相続登記が義務化されたらしいので、これを機に名義変更をしておこうと思うけど、相続人が誰なのか?一体何人くらい相続人がいるのか?どうやって連絡を取ればいいのかわからない。

長い間手続き(相続登記)をせずに放置されていた場合、相続登記を進めることが困難になり、困難になったためにまた放置されて・・・という悪循環に陥っているケースがよくあります。

相続人が多くても大抵何とかなる!

相続人が20人、30人と多人数になると確かに相続登記は困難になりますが、やってみると何とかなったというケースの方が多いです。

そう諦めなければ何とかなるのです。

相続人が数十人になりそう、住所も、連絡先もわからない、そもそもどこの誰が相続人かわからない。そのような相続登記をどのように解決するのか解説します。

まずは相続人を調べる

まず相続人がどこの誰かを確定させるのは相続手続きの基本です。

亡くなった方の戸籍を手掛かりに戸籍を集めて、現在の相続人が誰なのかを確定させます。

参照 相続人・相続財産の調査

相続人の連絡先がわからない。という方も安心してください。
「戸籍謄本」と一緒に「戸籍の附票」という書類を取得します。

※戸籍の附票とは、本籍地の市区町村で戸籍の原本とともに保管されている書類で、その戸籍が作られてから現在に至るまでの住所が記録されています。

戸籍の附票を取得することで相続人の住所がわかります。
ちなみに電話番号はわかりません。

相続人と連絡を取る

相続人が確定したら連絡をとります。

連絡を取る手段としては、電話、手紙が一般的です。

電話番号を知っている

電話番号がわかる場合は、まず直接電話して相続登記への協力をお願いすることをお勧めしています。
その方が、いきなり司法書士や弁護士から連絡が入るよりも相手の方の心証がいいように思うからです。

電話番号を知らない

電話番号を知らない、知っているけど電話はかけたくない。といったケースではお手紙を送って相続登記への協力のお願いや、相手の意向の確認を行います。

相手の方の反応は?

連絡を取った際に気になるのが相手の反応ですね。

これまでの経験では大半の方が協力的でした。

相続人が多人数になっている場合、一人一人の相続分は極わずかです。
あまり関わりたくない、手続きに協力して早く終わらせたい。そのような考えの方が多い気がします。

それでも一定数の方からは協力が得られないこともあります。

・知らない人からいきなり手紙が来ても信用できないから無視する。
・認知症などで判断能力がなく返答できない。
・自分も財産が欲しい。
・先代あたりで相続争いになっていた。

など理由は様々ですが、相続人全員の協力が得られないと進まないのが相続手続きの難しいところです。

相続人全員から協力が得られた場合

相続人全員から協力が得られたら迷うことはないですね。
予定通り相続登記を申請して無事終了です。

相続人の中に協力してくれない人がいた場合

相続人の中に協力してくれない人がいた場合でもあきらめてはいけません。

再度手紙を送る。丁寧にお願いしてみる。
などを試みてそれでもダメだった。

そんなときは遺産分割調停という方法があります。

遺産分割調停

遺産分割調停は、家庭裁判所で行う話し合いです。
ひろせ司法書士事務所で相続人が多人数になる相続手続きをお手伝いする場合、遺産分割調停になった時のことまで考えて手続きを進めていきます。

相続人間で紛争になっているようなケースでなければご自身で調停を進めることが可能です。
※司法書士は遺産分割調停の代理人となることはできないので、裁判所での調停を代理人に依頼したい場合は弁護士に依頼することになります。

遺産分割調停(話し合い)がまとまらない場合や、相手が調停に応じてくれない場合は審判で解決します。

遺産分割審判

遺産分割審判は、裁判所が客観的に遺産分割の方法を決めることになります。

基本的に法定相続分に応じた財産の取得となるため、相続人が多人数になる場合、非協力的な相手方の相続分はわずかになります。

また遺産分割審判では、相続人全員の出席は必要ではないため、出席してくれない相手方がいた場合でも成立します。

まとめ

相続人が30人程度であれば、諦めずに時間をかけて丁寧に対応していけばなんとかなるケースがほとんどだと思います。
お互いほとんど知らない関係性で争う理由がない、相続分が少ないので争っても得られるものがない。といった理由ではないかと想像しています。

諦めなければ何とかなる。そう信じています。

もし今回のケースと反対にあなたが相続人ですよ。という通知が届いた場合の対応をご紹介しています。

この記事を監修・担当した専門家

司法書士廣瀬修一 (保有資格中小企業診断士、土地家屋調査士、行政書士、AFP)

代表司法書士 廣瀬修一

相続登記は放っておいても解決することはありません。 できる限り早めに行うことをお勧めします。

保有資格

  • 司法書士
  • 行政書士