遺言・遺言執行

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遺言・遺言執行

少し前までは遺言を作成する人はほんの一握りでした。「うちは財産が少ないから」「家族の仲がいいので大丈夫」「まだ早い」そんな声が多かったです。
ところがここ数年遺言を作成したいという依頼が驚くほど増えています。

権利意識の高まりによる相続争いの増加、終活意識の高まり、それらの情報を見聞きすることが増え、自分も遺言を作ろうという機運が高まっているのかもしれません。

相続対策のかなめとなる遺言 このページではそんな遺言に関することをご案内します。

どんな人が遺言を必要とするのか?

遺言を作成する目的は人それぞれですが大きく分けると「必要だから作る遺言」「叶えたい希望があってつくる遺言」の2つです。

必要だから作る遺言

これはもう遺言がないと大変なことになる。そんな方が作成する(すべき)遺言です。
こんな方は、ぜひ遺言を作成してください。大切な家族の生活を守れます。

  • 離婚・再婚をした方で、先妻との間の子と再婚相手との間の子がいる。
  • 相続人の中に海外に住んでいる人がいて音信不通。
  • 相続人の中に、認知症や障がいなどで判断能力がない人がいる。
  • 兄弟同士でもめそう。
  • 相続人がいない。

希望を叶えるために作る遺言

自分の死後にこんな風にして欲しい。その希望を叶えるためには遺言が必要。そんな方が作る遺言です。
ご自身の財産に関して希望がある方は遺言で実現できます。きっと喜んでもらえることでしょう。

  • 残された家族が相続手続きで苦労しないようにしておきたい
  • 相続人以外に遺産を残したい
  • 配偶者が自宅に住み続けられるように配偶者居住権を設定したい
  • どの財産を誰に継いで欲しいか希望がある。

遺言のポイント

遺言でできること、できないことがある

遺言には実現できることとできないことがあります。
遺言では実現できないことを相続人以外に頼みたい場合は、死後事務委任契約を利用します。

【できる事】 【できないこと】
  1. 遺産分割方法の指定
    例:A土地は長男に、B土地は二男に相続させる
  2. 相続分の指定
    例:私の財産を長女3分の1、二女3分の2の割合で相続させる
  3. 相続人以外への遺贈
    例:私の財産を孫に遺贈する
  4. 遺言執行者の指定
  1. 死亡後の諸手続き(行政官庁への届出など)
  2. 葬儀など
  3. 財産の承継に関係のないような事務手続き

家族ともよく相談する

実家の田畑は長男に継いでもらいたいと思っていても、長男も同じ気持ちとは限りません。
相続が発生した後に、遺言書の内容と違う遺産分割方法にしたいのだけれど…といったご相談を受けることもあります。
もらう側の気持ちも確認しておく必要がありますね。
せっかく作る遺言です。家族でよく話合い、後のトラブルを防ぎましょう。

遺言執行者を定める

遺言者の死亡後に遺言に書かれた内容を実現してくれる人の事を遺言執行者といいます。
せっかく遺言を残すなら遺言執行者を定めておきましょう。
遺言者は相続人の中から決めることが多いですが、第三者に遺言作成時に依頼することも可能です。
第三者に依頼する場合は、司法書士、弁護士などの士業や信託銀行に依頼するのが代表的です。
それぞれメリットデメリットがあるので比較してみましょう。

特徴

司法書士・弁護士などの士業 信託銀行

メリット

  • 専門知識があるので、遺言作成段階から細かな対応ができる。
  • 信託銀行に比して報酬が安い

デメリット

  • 小規模な事業所が多いので、永続性に不安がある。

メリット

  • 信託銀行はつぶれないという安心感

デメリット

  • 費用が高い
  • 専門家が対応するわけではない。
  • 執行手続きに時間がかかる。
  • 別途、相続登記の司法書士報酬などの費用がかかる。

ひろせ司法書士事務所が遺言執行者に就任した場合の報酬基準

相続財産の価額 報酬額(消費税別)
500万円以下 300,000円
500万円を超え5,000万円以下 価額の1.2%+240,000円
5000万円を超え1億円以下 価額の1.0%+340,000円
1億円を超える場合 価額の0.7%+640,000円

信託銀行が遺言執行者に就任した場合の報酬基準の例(最低報酬150万円+消費税)

相続財産の価額 報酬額(消費税別)
1億円以下の部分 1.8%+消費税
1億円超3億円以下の部分 (価額の0.9%)+消費税
3億円超10億円以下の部分 (価額の0.5%)+消費税
10億円超の部分 0.3% (価額の0.3%+64万円)+消費税

上記以外に司法書士に登記を依頼した場合別途司法書士費用が発生します。

遺言の種類と特徴

遺言の作成方法は公正証書遺言と自筆証書遺言の2つが現実的です。

「公正証書遺言」

公正証書遺言は公証人という専門家に公正証書を作成してもらいます。
メリットは信頼性と手続きがスムーズに行えること。残される相続人の事を考えると公正証書がおススメです。

「自筆証書遺言」

自筆証書遺言は、その名の通り自分で直筆で書いて作成します。
メリットは手軽さと費用がかからないところ。これから遺言を書き直すことが想定される方は自筆証書遺言がおススメです。
注意したいのが、記載内容の不備です。遺言は記載内容に不備があると無効になることもあります。
死後に訂正することはできません。専門家に相談して不備のない遺言書を作成しましょう。

法務局の自筆証書遺言保管制度

自筆証書遺言を自宅等で保管する場合、改ざんや紛失、発見されないおそれがあります。
そのリスクを避けるため、法務局で自筆証書遺言を保管してくれる制度ができました。

公正証書遺言と自筆証書遺言の比較

公正証書遺言 自筆証書遺言
法務局 保管制度利用
作成者 公証人 遺言者本人
作成方法 遺言者が内容を伝え、公証人が作成 本人が遺言書を「自筆」して署名・押印
(財産目録のみパソコン等で作成可)
費用 遺産額に応じて手数料がかかる かからない 保管料として1件3,900円 (その他請求により費用がかかる)
保管場所 公証役場
※紛失の場合再発行が可能
遺言者本人(任意の場所)
※紛失の可能性あり
法務局(遺言書保管所)
※住所地・本籍地・所有不動産の所在地のいずれかの管轄局
遺言執行 の容易さ 死後すぐに手続きを行える
(検認不要)
検認手続きが必要 (約1か月ぐらいかかる) 検認は不要だが、法務局に 「遺言書情報証明書の交付請求」が必要

遺言にも適齢期があります

若いうちから遺言を書いておきたい方は、まず自筆証書遺言を書いておくといいでしょう。その後年齢を重ねて、終活に向けて備える段階になったらそれを公正証書遺言するといったように年齢に応じて使い分けることも重要です。

遺言書作成・遺言執行時にかかる費用

遺言作成時にかかる費用

相続財産の価格 報酬額(消費税別)
基本報酬 1000万円以下 70,000円
1000万円を超え5000万円以下 90,000円
5000万円を超え1億円以下 130,000円
1億円を超える場合 別途お見積もり致します。
人数加算 受遺者等の人数が3名を超える場合は、一人当たり10,000円加算
複雑案件加算(タイムチャージ) 打合せ回数が5回を超える場合、1時間当たり10,000円を加算
自筆証書遺言保管制度申請(法務局) 20,000円
公正証書遺言作成サポート 10,000円

※公正証書遺言の場合は、別途公証役場の手数料がかかります。
※法務局の遺言保管制度をご利用の場合は、別途保管手数料3,900円がかかります。
※戸籍謄本・登記事項証明書・固定資産評価証明書等の各種証明書の発行手数料は別途実費がかかります。

遺言執行時にかかる費用(弊所が遺言執行者に就任した場合)

相続財産の価額 報酬額(消費税別)
500万円以下 300,000円+消費税
500万円を超え5000万円以下 価額の1.2%+240,000円
5000万円を超え1億円以下 価額の1.0%+340,000円
1億円を超える場合 価額の0.7%+640,000円

※戸籍謄本・登記事項証明書・固定資産評価証明書等の各種証明書の発行手数料は別途実費をいただきます。
※当事務所の報酬とは別に不動産登記の登録免許税がかかります。
※相続税の申告が必要な場合の税理士報酬等の諸費用は別途ご負担いただきます。
※相続財産の価額は、執行時の積極財産の金額で相続税評価額とします。債務は控除されません。

ご相談の流れ

公正証書遺言作成の流れ

1打合せ

お客様の想いを聞き取りし、財産の分け方など遺言の内容の打合せを行います。

2試案の作成

打合せないように基づき、遺言の試案を作成して、お客様に確認していただきます。

3必要書類の収集

戸籍謄本等の必要書類を収集します。
当事務所で代理取得することもできますのでご相談ください。

4公証役場との打合せ

弊所が公証人と遺言の内容について打合せを行います。

5公証役場での遺言作成

公証役場に行って遺言書を作成します。